一日一美。

日常にひそむ美しいものを見いだして、残していきたい。一日一美。

2017-04-25から1日間の記事一覧

ヤマグルマ~花弁も萼もない花

ヤマグルマの花 私は初見でした。 花弁も萼もない花が、樹上で光を受けて輝いています。 トリモチ(鳥や虫を捉えるための粘着性物質)を出す木として重用されていたそう。 今は日常で必要としないけれど、かつてはなくてはならない機能を持った植物は、たく…

桜色にわが身はふかくなりぬらむ心にしめて花を惜しめば 

桜色にわが身はふかくなりぬらむ心にしめて花を惜しめば 詠み人知らず。 拾遺集所収。 心に深く思って花を惜しむので、わが身は深い桜色になってしまっただろう……。 桜「糸括(いとくくり)」 小花柄が長く束になって垂れ下がることから名付けられた。 午後…

手拭風に再び解けて新茶摘む 【阿部みどり女】

手拭風に再び解けて新茶摘む 【阿部みどり女】 茶碗のなかの抹茶をのぞくたびに、感慨にとらわれる。 おどろくほどの華やかな緑。 新緑よりもなお光を放つ緑。 火を入れ保存しているはずなのに、こんなにも鮮やかな。 「茶摘」は春の季語。 「新茶」は夏の季…