一日一美。

日常にひそむ美しいものを見いだして、残していきたい。一日一美。

桜色にわが身はふかくなりぬらむ心にしめて花を惜しめば 

桜色にわが身はふかくなりぬらむ心にしめて花を惜しめば
 
詠み人知らず。
拾遺集所収。
 
心に深く思って花を惜しむので、わが身は深い桜色になってしまっただろう……。
 
 

 

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桜「糸括(いとくくり)」 

小花柄が長く束になって垂れ下がることから名付けられた。

午後からは五月晴れと言っていいほどの天気になった日。

染井吉野はすでに葉桜への姿を変えつつあったが、

八重桜のいくつかは盛りを迎えていた。

薄桃色の花弁が重なり合うと桃の濃さを増し、

光が透けると染井吉野のような仄白さを見せる。

光の濃淡をこそ眼は見ているのだと思い出させられる。

 

2017.4.23撮影

京都府立植物園