2017-04-27 さかづきに春の涙をそそきける昔に似たる旅のまとゐに さかづきに春の涙をそそきける昔に似たる旅のまとゐに 【式子内親王】 白居易の「十年三月三十日 微之に澧上に別れ十四年三月十一日夜 微之に峡中に遇ふ」の「酔悲して涙を灑ぐ春盃の裏」を踏まえています。 白居易では「春のさかづき」ですが、式子内親王の歌では「さかづきに春の涙を」となっています。 「春の涙」とはなにか、と心めぐらさずにはいられない魅力があります。 当時のさかづきは、こんなに鮮やかな朱塗ではないでしょうね……。 漆の器の艶は、なんとも言えない奥行きがあって見飽きません。 2017.4.15撮影