ゆふぐれの泰山木の白花は われのなげきをおほふがごとし
ゆふぐれの泰山木の白花は われのなげきをおほふがごとし
【斎藤茂吉】 #詞華
泰山木の花は非常に大きく、赤ん坊の頭より大きいくらい。
直径25cmにもなるといいます。
風向きによっては、遠くでもそれとわかるほどの、甘い香りを放ちます。
近づくと爽やかさが混じって、懐かしさと切なさを感じる香り。
地面近くまで下がった枝に、ひとかかえもある乳白色の花が開いているのを目にすると、思わず顔を近づけたくなる。
花のあまりの大きさに、人がみな足をとめて、それぞれが花に顔を近づける。
おじいちゃんも、こどもも、おばあちゃんも。
夕ぐれには、いっそう甘い香りが増すが気がします。
波津彬子さんの作品に、泰山木の花びらを盃にする話がありました。
盞(さかずき)の漢字を取って、大盞木と書くこともあるようです。
初夏から梅雨にうつっていくころの楽しみですね。
北アメリカ南東部原産。
2017.06.04撮影