一日一美。

日常にひそむ美しいものを見いだして、残していきたい。一日一美。

国破れて山河在り 城 春にして草木深し

「春望」 杜甫

 

國破山河在

城春草木深
感時花濺涙
恨別鳥驚心
烽火連三月
家書抵萬金
白頭掻更短
渾欲不勝簪
 
 
 
国破れて山河在り
城 春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺(そそ)ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火 三月に連なり
家書 万金に抵(あた)る
白頭 掻けば更に短く
渾(すべ)て簪(しん)に勝(た)えざらんと欲す

 

 

冒頭の二句があまりに有名な漢詩

 

杜甫が賊に捕らえられて長安に在ったときの作とされています。

悠久なる自然、戦乱続く世の対比。

 

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写真は、京都御苑(ふだんは「ごしょ」って読んでますけど、正式名称は「御苑」で、「御所」は内裏のことなんでしょうね)の近衛邸跡近くの枝垂桜と下草の花(ウマノアシガタ)です。

下草がこれほどぼうぼうにされているのは珍しく、「春にして草木深し」にぴったりだと思いました。

 

2017.4.23撮影

京都御苑